JR仙台駅寿司ロード 『仙令鮨』
前振り
お昼に牛タンを食べたので、夕方には寿司ロードで寿司を食べようと思いました。それまでどこかに観光しようとあれこれ考えたのですが、時間の関係で中尊寺金色堂を観に行こうと決めました。
平泉までは往復3時間程度ですから、駆け足になりますが数十年前に観た金色堂をもう一度観たかったのです。
仙台から一ノ関まで新幹線で、そこから平泉まではローカル線で、3時には着く計算でした。
ところが美しい田園風景と青空のコントラストに見惚れていて、気がついた時には行き過ぎてしまい、「村崎野」という無人駅まで来てしまいました。急いで反対ホームに行きましたが、次の電車は「50分後」です。
中尊寺には拝観終了のギリギリになってしまい、金色堂にはとてもたどり着けません。天気も悪くなって小雨も降って来ました。諦めて一ノ関まで戻ろうと思い、次の新幹線の時刻を調べると、「40分後」でした。
東北地方の観光を、近畿圏内や関東都心部と同等に考えたのが間違いでした。地図上ではすぐ隣でも電車の路線が乗り入れてないとか、行く事は出来ても帰りの電車が数時間後とか、東北地方の旅行はバイクに限ると痛感しました。
仙令鮨
旧店名は『北辰鮨』と言ってました。回らない鮨屋で食べたのは、ここだけです。カウンターだけの、立ち食い鮨です。ものの本によると、江戸時代は屋台やこのような立ち食い鮨のみだったようで、寿司の原点ですね。
初めて食べた時は、あまりの美味しさに感動して、以降仙台に仕事できた時は必ず立ち寄ってました。一度は、昼飯に鮨を少しだけと思って、結局地酒と合わせて4000円も食べたことがありました。
鮪の3貫盛り
ねっとりとした舌触りの中に、海の色んな味が詰まっているようで、絶品です。
海鞘(ホヤ)
生きたホヤをさばいて20分以内に口にしないと、直ぐに鉄さびのような味に変わってしまう、文字通り鮮度命のネタです。新鮮なものは無味無臭に近いですが、その分微かな塩気は海そのものを食べてるような感動があります。
つぶ貝
これも言葉にできるような味はありません。コリコリとした食感と磯の香りが相俟って、「ザ・海の幸」そのものです。以前隣で食べてた男性が、頻繁につぶ貝を注文してたのを思い出します。大阪から来たらしいその男性は、店員から「つぶ貝がお好きなんですね。」と聞かれて、「他のものは大阪でも食えるから。」と答えてました。それ以来、私も病みつきになりました。