幕弁ブログ

私は電車で旅をするのが好きで、駅弁はその好きなもののひとつです。その中でも、いろいろな味が少しずつ楽しめる、幕内弁当が一番好きです。そんな幕弁のようなブログを見ていただきたいと思っています。

経団連、定住化移民受け入れの提言(2015年)

2015年に他所で書いた記事です。本質は、まったく変わっていないように感じます。

 

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日本経団連は、少子高齢化に伴う人口減少対策として、定住移民の受け入れを提言しました。労働力不足や内需の縮小などが、日本の経済社会を不安定にする恐れがあると判断して、従来の「期間を限定した外国人労働者の受け入れ」という方針を転換すると発表しました。

しかし、どうもピンと来ません。

 

日本は、国内にいる若年の新規採用者や中高年の中途採用者を完全雇用しても、まだ労働力が不足している、という訳では決してないですよね。確かに、労働意欲や勤労意欲のない若い人もいるでしょうが、意欲があってもフリーターやニートにしかなれない人もたくさんいるようです。


今年私の息子も専門学校を卒業して運よく就職できましたが、卒業年度にたまたま不況にぶつかって就職できなかった子達は、自分は何の落ち度もないのに、翌年度以降も採用対象から
洩れる確立が高いと聞きました。


中高年に至っては勤労意欲どころか、そんなものがなくったってローン返済や子供の教育費のために「24時間戦えます」でいるにも拘らず、意に反して会社自体が倒産されたり、自身がリストラされたりします。

 

経団連の上層や自民党中川秀直(翌2016年旭日大綬章を受章)さんを中心とする人たちは、この人たちと(現時点で海のものとも山のものとも判っていない)比べて、移民対象となる人たちの何がまさっていると考えているのでしょうか。給料が安くて済む、ただその一点だけを見ているのではないでしょうか。

 

確かに、いくら人が余っているといると言っても、全ての人に適性がある訳ではなく、全ての人が適職につけるという訳でもないでしょう。ですが、1000万人も育った土壌の違う人間を移民させようというのですから、労働の絶対数が足りないと考えているとしか思わざるを得ません。つまり、経団連自民党も、深く考えているわけではなく、要するに、どんぶり勘定をしているだけなのです。つまり、これくらい余分に入れとけば、どれか適性を持った人間がいるだろうと。

 

冗談ですが、中国に受けのいい中川秀直さんは、更にいい顔をしようとして、1000万人移民をぶち上げたのではないでしょうか。1000万の内訳は、人口比率からして、当然8, 900万人は中国人です。

 

これは冗談ではありませんが、以前横浜の相鉄沿線のある街に出張に言った時、タクシーの運転手から聞いた話です。相鉄線は、昔住んでた時も南米人の乗客をよく見かけましたが、最近では、東南アジア人や当然中国人も増えているそうです。そして、ごみ処理や公益の件で町内や区内で寄り合いを持つと、東南アジアや南米の人たちはほぼ出席するが中国人はまず出席することはないと。

 

そして、中華街やチャイナタウンに観られるように、中国人は歴史的な背景もあるのでしょうが、一定以上の数になると固まります。そしてそこがあたかも中国の飛び地のようになるでしょう。それが、8, 900万人もいれば想像を絶する状態になるのではないでしょうか。そういえば、つい最近も華僑を中心に六本木に中華街を作る提案がなされましたね。

 

それは単なる想像ではなくて、第2次大戦以降トルコ人(クルド人を含む)などを単純労働用として受け入れたドイツにおいては、ずっと以前から現実の悩みになっています。国内における文化、経済的な均質性が破られ、社会全体を不安定にするのです。

 

これが第一の問題だと思いますが、第二に1000万人の移民とは言ってもそれは労働力としての数だけで、家族などは含まれていません。単純に考えて、1家族4人だとすると4000万人という途方もない数に数になります。2050年に8000万人近くまで人口が減少する中で4000万人というと、人口の半分が外国人(正確には定住するから外国人種というべきでしょうが)となります。


そのためのインフラの整備や起こりうる文化的な摩擦に対する精神的な負担は、私たち一般人が負うことになります。果たして耐えられるのでしょうか。

 

第3に、定住した人たちもいずれは高齢化します。その時、今と同じような高齢者医療や福祉の問題が立ちはだかってくるのです。


経団連は、労働力のみしか眼中にないのでしょうが、それ以外のトラブルは全て日本人全体に被せてしまおうと考えているのではないでしょうか。