幕弁ブログ

私は電車で旅をするのが好きで、駅弁はその好きなもののひとつです。その中でも、いろいろな味が少しずつ楽しめる、幕内弁当が一番好きです。そんな幕弁のようなブログを見ていただきたいと思っています。

映画『くろよん』

 

8年前の7月、それから更に40年前に石原裕次郎さんによって制作された『黒部の太陽』が、中村獅童さんの主演で舞台化され、大阪梅田芸術劇場で上演されました。

 

私はこの映画を、田舎の中学の体育館で授業の一環として観ました。ものすごく感動したことを覚えていますが、なぜか映画そのものよりも今はもうない、その時の中学校や体育館の様子や、周りで一緒に観ていた同級生の顔を鮮明に覚えています。

 

 

多分、黒部という厳しい自然や巨大なダムという、ちっぽけな一人の人間とは比べ物にならないくらいの存在に対して、困難を承知で臨んでいくというストーリーに感動したのだと思います。

 

なぜ今になって『黒部の太陽』なんだ、という点はTVでも新聞でも説明されていなかったですが、やはり人間が物理的にも大きくて難易度も半端じゃないものに挑戦するという、判り易くてそれだけに訴求力のあるものを、誰かが求めたのだろうと想像しました。

 

50年前に映画を観て以来、北陸方面を旅するときは必ず地図の上で「黒部」を探す癖がついてしまいました。まだ行ったことはありませんが、いつか行ってみたいと思います。

 

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黒部の太陽』を観て興味のわいた人は、吉村昭の単行本『高熱隧道』を読まれるといいと思います。黒4の前の、戦時中に建設された『黒3ダム』を題材にした小説ですが、映画とはまた違った興趣があります。

 

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